近畿地方のベッドタウンについて(初投稿)
大阪府は全国で2番目の面積の地であるにもかかわらず、西日本では最大の経済力を誇る巨大都市、つまり都会である。
都会には必ず人が働く「ビジネスエリア」と人が住む「ベッドタウン」が存在する。
この中でも今回は「ベッドタウン」について取り上げたいと思う。
ベッドタウンは人が住む以上、都心部のような喧噪や騒がしさがあってはならないということで基本的に郊外に位置する。大阪府でいうと豊中市、吹田市、高槻市、寝屋川市、枚方市、堺市が有名だ。どの市も大阪市という「ビジネスエリア」を取り囲むような配置である。
しかし、基本的に大阪のベッドタウンは江戸時代より宿場町や貿易の町として栄えてきた経緯があり、純粋な意味でのベッドタウンではないといえる。(ただし、千里エリアは高度経済成長期以降に開発されたものなのでこのパターンにはあてはまらない)
古くからこのような地域は栄えているため、建造物のデザインも多様性があり、商店もそれなりに多いという印象を受ける。
一方、これら古くから栄える大阪のベッドタウン以外に、昭和になってから開発されたベッドタウンが存在する。これらは「ニュータウン」と呼ばれ、日本の高度経済成長に伴う人口増加を支えていた。ニュータウンは古くからのベッドダウンと異なる点がいくつかある。
1. 丘陵地帯に位置する
2. 店が少ない
3. 都心部までの通勤時間が長い
4. 計画的に土地が作られている
5. 建造物のデザインが画一的である
次にこれらの特徴にあてはまる近畿地方のベッドタウンの中で私が興味をもったものを紹介する。
西宮という地名を聞くと多くの人は西宮北口ガーデンを代表とする高級感あふれる街を連想すると思う。しかし、西宮市というのは面積が意外と大きく、宝塚市の隣も実は西宮市なのである。西宮名塩というのは西宮市のなかでも海側ではなく山側につくられた街である。
西宮名塩駅はJR福知山線で宝塚駅よりさらに奥、大阪駅から快速で約30分の所に位置する。この駅は半分はトンネルであり、地形的にも非常に険しいところに位置していることがわかる。
西宮名塩駅北口を出てまず目につくのが山の斜面に沿って作られた巨大エレベーターだ。なぜ街中にエレベーターがあるのかと疑問を浮かべるのが普通である。
実はこのエレベーターは駅と山の上にある住宅街を結ぶためにつくられたエレベーターなのである。西宮名塩駅北側の山は70s以降高級住宅街として宅地開発された歴史がある。今でも山の上の住宅街には多くの富裕層が住んでいる。駐車場には外車が多い。
ここに住む人は毎日エレベーターを使わないといけないと思うと、少し閉鎖的な街だと私は思う。だが山の上にある住宅街だからこそ味わえるおいしい空気、美しい景色にひかれて西宮名塩に家を建てたと考えればそれも家を建てるふさわしい理由といえる。
2. 千里ニュータウン
豊中市、吹田市にまたがる千里丘陵は部分的に発展はしていたものの多くが未開発の状態であった。どのようなプロセスで宅地開発されたかはよくわからないが、北大阪急行線で江坂以北の車窓を眺めていれば、そのマンションの多さに驚くだろう。
桃山台という駅名からもここが坂ばかりの険しい地形というのがよくわかる。
やはり、丘陵地帯は物静かで治安もよい傾向だ。千里ニュータウンの存在こそが北大阪の治安の良さを中心としたブランド力を支えているのだろう。
3. 奈良の学園前とかけいはんな線沿線などなど
奈良県北西部はとにかくニュータウンが多い。地形もごつごつしていて、自転車が漕ぎにくそうだ。近鉄奈良線の生駒、学園前、そしてけいはんな線の学研なんとかなんとか丘などなどすべて宅地開発されたという感じの道路マップをなしている。
近鉄の存在により大阪市と奈良県のアクセスは非常に良くなった。なおかつ奈良県は土地が安い。このような理由で多くの人は奈良県を選んだのだろう。
しかし、少子高齢化により奈良県のニュータウンの人口は減り、また大阪に住みたいという人が増えて相対的に奈良県のニュータウンの土地価格は下がると思われる。MaaS(Mobility as a Service)のような交通革命が起こらない限り、数十年後にはゴーストタウンになっているのではないかという懸念もある。
疲れたので終わり